引き寄せの奥義 キバリオン

2017/08/18



Contents

引き寄せの奥義キバリオン―人生を支配する七つのマスターキー:ウィリアム・W・アトキンソン著、林陽訳

The Kybalion – A Study of The Hermetic Philosophy of Ancient Egypt and Greece
Yogi Publishing Company, Chicago, 1908
by William Walker Atkinson

あなたはこの本で最大・最後の秘密を手にするだろう!
キバリオンとは数千年口伝で継承されてきた密教(ヘルメス学)の奥義にして、この百年間世界に影響を与え続けたすべての成功哲学の原点である!
帯(表)より

今、世に出ている「引き寄せの法則」は、この「キバリオン」の真理を水増ししたものに過ぎなかった !
キバリオンとは「上なるごとく下に」という宇宙の法則であり、思いは「上」で、物質が「下」を指す。この宇宙と俗界を繋ぐ法則を7つマスターキーによって、秘密の伝授をなすものである。宗教の閉鎖性や排他性にうんざりしている人は、光に照らされてモヤモヤが晴れます。現実生活で何事もうまくいかない人は、その理由が一発でわかり、打開策が見えてきます。精神的創造力とは「思いを物質にする力」であり、「引き寄せの法則」の根本原理がキバリオンの要諦なのです。
帯(裏)より

数千年昔のエジプトから全世界、
全時代に広がった精神的宇宙の基本法則
読者は本書を読むだけで
不思議な同意と超越知のひらめきを得ることでしょう。
誰でも能力を発揮したいのに発揮できずに不満な人生を生きている。
ところが、本を読んだだけで悟りに近いものを得て
その発揮できずにいる潜在能力が自然に開かれる方へ誘導される-
それがこの不思議な本キバリオンです。
宇宙の流れに乗るためには、マインドにその流れを作ることが必要なのですが、
この本は読んでいるうちに、その流れになってくるのです。
帯(見開き)より

著者略歴

ウィリアム・W・アトキンソン (William Walker Atkinson)
1862‐1932。シカゴの法律家でニューソート運動の先駆者。
32歳でペンシルバニア州裁判所の弁護士になり、ニューソートとヨーガを基礎とする自己治療と自己実現の法則を体系化し、「引き寄せの法則」として発表。シカゴ移住後に、「サジェッション」をはじめとするニューソート専門誌の編集に携わり、「アトキンソン・メンタル・サイエンス研究所」を設立、ラマチャラカ著作集13冊を含む100冊以上の実用哲学を世に送り出す。彼が提唱した『引き寄せの法則』は、ウォレス・ワトルズ、チャールズ・ハアネル、ナポレオン・ヒルなど自己啓発分野の先駆者や日本初のヨーガ哲学者中村天風など、世界の思想界にも大きな影響を与え、100年後に映画「ザ・シークレット」のテーマとなって、全世界に知られるようになった。

著者については、論議があるようだ。原書には、”by THREE INITIATES”と書いてあった。”ケースの仕事(Paul Foster Case’s Works)“のサイトに著者に関するいくつかの考え方が書いてあった。

各帯には刺激的なキャッチコピーが並んでいる。
しかし、本書は1908年の本なので、当然著者自身は本書の中で帯に書いてあるような、その後に発刊された本について言及していることはない。
古い方に分類されるザ・マスター・キーも初版が1917年なので、本書の初版の後の出版ということになる。そのため、帯に記載されているように、本書がすべての起点になっているかどうかは、それぞれの本や著者の内容や発言等から検証していく必要はある。
また、帯や訳者まえがきは「キバリオン」自体についての言及なのか、「本書」について言及しているかなどは良く読み込む必要がある。

良くザ・シークレットの元本と言われるザ・マスター・キだが、さらにその元本になったと本書に書いてある。本書ではないが、キバリオンについては、心を上手に透視する方法の中でも言及されていた。

  • 初版:2008年12月31日
  • 発行所:徳間書店
  • 定価:1,400円+税
    現在は中古本のみの入手。中古本を購入される場合は、定価を踏まえて購入のこと。
    かなり中古価格が高騰してしまっているので、購入される際は注意するが必要。電子書籍化が望まれる。

目次と引き寄せの奥義キバリオンの英語版との比較

読んでいても中々理解が進まなかった。原書の英文の方が理解しやすいと思われる箇所もあったので、所々に英語版からの原文(英文)を参照として掲載。

訳者まえがき 一握りのパワーエリートだけが精通(マスター)してきた「思いを物質にする力」で、あなたも未来を変えましょう!

  • チャールズ・ハアネルの『ザ・マスター・キー』、ナポレオン・ヒルの『成功の哲学』、アール・ナイチンゲールの『ザ・ストレンジスト・シークレット』(徳間書店刊)、ロンダ・バーンの『ザ・シークレット』、ドリーン・バーチューの『ディバイン・マジック』、ジェームズ・アーサー・レイの『成功の科学』など、その後の実用書の流れの原点がこの本に辿れる。
  • 特に、『ザ・シークレット』で頻繁に引用されるハアネルの『ザ・マスター・キー』の下敷きにされたことからも、その重要性がうかがえる。
  • ナポレオン・ヒルはハアネルの『ザ・マスター・キー』に感化され、アール・ナイチンゲールはナポレオン・ヒルに感化され、ロンダ・バーンはアール・ナイチンゲールに感化されている。人気の作家ドリーン・バーチューもこの本に注目して、2006年に独自の解釈を試みたばかりである。ジェームズ・アーサー・レイが『成功の科学』に書いている7原則は「キバリオン」の7原理そのものである。
  • ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、ナポレオン・ヒルも、「精神の想像力」を使って企業の創造と成功をものにしたことは明らかである。

序章 密教の最強哲学「ヘルメスの教え」はこうして生まれた

  • この本の目的は、矛盾し合うために初学者の意気を挫き、不愉快にさせている密教知識の多くを和解する真理を宣べることにある。
  • 密教の中でヘルメスの教えほど良く守られたものはない。それは、数千年前のエジプトに住んだ神々の書記、大開祖ヘルメス・トリスメギストスから現代にまで継承されてきた教えである。
  • 諸族の密教の根本教理はヘルメスに辿れる。
  • ヘルメスの説いた根本真理は、少数者によって口伝により継承され、純粋に保たれてきた。

第1章 ヘルメス密教の秘儀「キバリオン」とは何か

「知恵の唇は理解する耳にしか開かれない」-キバリオン
The lips of wisdom are closed, except to the ears Understanding.” – The Kybalion.

  • 『キバリオン』とは、古代、師から生徒に伝えられる基本的なヘルメスの教えの集大成である。
  • 大師の中の大師と称えられるヘルメス・トリスメギストスが古代エジプトに存在した。
    • この方面の最高権威は、ヘルメスをアブラハムと同時代人と見ている。ユダヤ教の伝承のいくつかは、アブラハムがヘルメスから神智の一部を得たと述べている。
      (訳注:旧約聖書『創世記』:アブラハムがメルキゼデクから秘儀を受けたとの記述があり、同一人物と思われる。)
    • ヘルメスが死んだ後、エジプト人は神格化させ「トト」の名で神々の列に加え、古代ギリシア人も「知恵の神ヘルメス」と呼び、多くの神々の1人にした。
    • エジプト人は数十世紀にわたり、ヘルメスを「三重に偉大な」「偉大にして偉大」「もっとも偉大なる」を意味する古代の称号「トリスメギストス」を冠している。
  • 古代には『キバリオン』で知られる師から生徒に伝えられる基本的なヘルメスの教えの集大成があった。
  • ヘルメス錬金術は、一般に信じられているのとは異なり、物質の元素というよりは精神力を、金属の変性よりも精神力の変性を扱う技術であった。
    • 卑金属を金に変える「哲学者の石」の伝説は、ヘルメス哲学特有の比喩である。
  • 教えによれば、本書に書かれている内容は教えにふさわしい人の注意を引き寄せる。真理を授かる用意ができた人に、この本は引き寄せられる。
  • ヘルメスの「原因と結果の原理」のうち、「引き寄せの法則」が唇と耳を1つにし、生徒と本書を1つにする。

第2章 成功への扉を開くマスターキー「ヘルメスの七大原理」

「真理の法に七つある。それを会得するものは魔法の鍵を手に入れ、触れるだけですべての扉が開かれる」-キバリオン
“The Principles of the Truth are Seven; he who knows these, understandingly, possesses the Magic Key before whose touch all the Doors of the Temple fly open.” – The Kybalion.

1.精神性の原理
 “THE PRINCIPLE OF THE MENTALISM”

「全は精神。宇宙は精神的である」-キバリオン
”THE ALL is MIND; The Universe is Mental.” – The Kybalion.

  • 現象世界は「全」(THE ALL)の精神的創造にすぎず、われわれがその中に生を得ている「全」の精神の中に、宇宙全体が存在している。
2.対応の原理
“THE PRINCIPLE OF THE CORRESPONDENCE”

「上なるごとく下に、下なるごとく上に」-キバリオン
”As above, so below; as below, so above.”  – The Kybalion.

  • もろもろの存在界の現象と法則は常に呼応し合う。
  • 人知を超えた諸世界についても、「対応の原理」を当てはめれば、他の方法ではわからない多くのことが理解できるようになる。
  • この原理を知れば、人は既知から未知を知的に推理できるようになる。
3.振動の原理
 “THE PRINCIPLE OF THE VIBRATION”

「何ものも休まない。万物が動き、振動する」-キバリオン
“Nothing rests; everything moves; everything vibrates.”  – The Kybalion.

  • 物質、エネルギー、精神、霊の諸現象の違いは、主に振動数の違いからきている。
  • 無限の速度と力で振動しているために、霊も静止しているように見える。
  • 素粒子、電子、原子、分子に始まり、世界、宇宙に至るまで、万物が振動している。
  • この原理を理解し、適切な方法を使うことによって、ヘルメス学者は自己の精神波も他人の精神波もコントロールすることが可能である。
4.極性の原理
THE PRINCIPLE OF THE POLARITY”

「あらゆるものに二面がある。あらゆるものに極がある。あらゆるものに対がある。好きと嫌いは1つである。両端は度が異なるだけで性質は同じである。両端は出会う。すべて真理は片割れにすぎない。いかなる対立も和解する。」-キバリオン
”Everything is Dual; everything is poles; everything has its pair of  opposites; like and unlike are the same; opposites are identical in nature, but different in degree; extremes meet; all truths are but half-truths; all paradoxes may be reconciled.”  – The Kybalion.

  • 「反対同士」は実はおなじものの両端にすぎず、その間に多くの度があるということ。=極性の原理

例:「暑さ寒さ」:反対の関係にあるが、実は、(温)度が異なるだけで、絶対的な「暖」や「寒」はない。同じ物の「(温)度」の違いのみである。言い換えると、「暖」や「寒」は同じもの(熱)の両端にすぎない。

  • 精神界も同じ。

例:「愛と憎しみ」:度(合)があり、好きか嫌いかわからなくなるどちらつかずの状態が間にある。

  • 自分ばかりか他人の心の振動を変えることが出来る(例:憎しみから愛、善から悪。)。
  • 「極性の原理」を応用すれば、意志の力によってそれが可能ととなる。=精神的錬金術の一面=「極性化の技術」
5.リズムの原理
THE PRINCIPLE OF THE RHYTHM”

「何事も流れ入り、流れ出る。何事にも潮の流れがある。何事も浮き沈む。何事も振り子のように揺れる。右に揺れるだけ左に揺れる。何事にもリズムがある」-キバリオン
“Everything flows, out and in; everything has its tides; all things rise and fall; the pendulum-swing manifests in everything; the measure of the swing to the right is the measure of the swing to the left; rhythm compensates.” – The Kybalion.

  • どんなものにも往復運動がある。
  • 「極性の原理」が両端の間で起こすものの例

例:振り子、潮の満引き
例:作用と反作用、前進と後退、浮き沈み
例:諸世界の創造と破壊、諸民族の勃興と衰退

  • 人間の精神に働くこの原理を理解することが最も重要である。
  • ヘルメス学者は、「精神の中和の法則」を応用し、この作用を克服する方法を発見している。
    • ヘルメス学者は、原理を止めることは出来ないが、原理に通じることにより、ある程度その作用をかわす方法を心得ている。
    • ヘルメス学者は、原理に使われるよりも、原理を使う。
  • ヘルメス派の大師らは、意志の力を行使することにより、振り子に左右される大衆には信じられないほどの「不動心」を実現している。
6.原因と結果の原理
THE PRINCIPLE OF THE CAUSE AND EFFECT”

「どの原因にも結果がある。どの結果にも原因がある。何事も法に従って生起する。『偶然』とは気づかずにいる原因を指す言葉にすぎない。原因にも多くの層がある。だが、法を逃れられる者は一人もいない」-キバリオン
“Every Cause has its Effect; every Effect has its Cause; everything happens according to Law; Chance is but a name for Law not recognized; there are many planes of causation, but nothing escapes the  Law.” – The Kybalion.

  • 偶然に起きるものは何もない。偶然は存在しない。
  • ヘルメス学者は、精神のレベルを高めることにより、結果ではなく原因を作る側になっている。
  • 一方、大衆は他人の意志や環境に左右されている。
7.性の原理
THE PRINCIPLE OF THE GENDER”

「どんなものにも性がある。どんなものにも男女の原理がある。性はあらゆる層に表れる」-キバリオン
“Gender is in everything; everything has its Masculine and Feminine Principles Gender; manifests on all planes.” – The Kybalion.

  • どんなものにも性(gender)があり、男女の原理が働いている。
  • どんなものにも、どんな人間にも、二つの要素が存在する。
  • 低俗な教えや行為とは関係ない。

第3章 魔法の極意!「精神的変容」の技術習得者こそ心の錬金術師(アルケミスト)

「精神は、金属や元素と同じく、その状態も度も条件も極性も振動も変えられる。心のヘルメス学の変容は精神の業(わざ)にある」-キバリオン
“Mind (as well as metals and elements) may be transmuted, from state to state; degree to degree; condition to condition; pole to pole; vibration to vibration. True Hermetic Transmutation is a Mental Art.” – The Kybalion.

  • 精神的変容」(Mental Transmutation)がテーマ。「精神的変容」とは、精神の状態、形、条件を他のものに変える技術を意味する。「精神的化学」(Art of Mental Chemistry)と言っても良い。
  • 宇宙の性質が精神的であれば、「精神的変容」は、物質と力と精神に沿って、「宇宙の条件を変える術」に違いない。
  • 全てが精神であるならば、精神状態を変える技術を修めた人は、物質的にも、精神的にも、環境の支配者であるに違いない。
  • 実を言うと、進んだ精神的アルケミストだけが、自然力を支配し、嵐や地震などの大きな物理的現象を操ることができる。このような人々の存在を進んだ密教徒の誰もが固く信じている。

「宇宙は精神的である」-キバリオン

  • 大師や秘伝者以下のヘルメス学者は、心の世界で自由に仕事をしている。
  • 「心霊現象」「精神的影響力」「メンタルサイエンス」「ニューソート」などは、どれも同じ原理で動いている。
  • ヘルメスの手法を使えば、自分ばかりか他人の心の状態も変えて、その状態を維持できる。通常、これは無意識に行われているが、相手が自己防衛の原理を知らなければ、このことに通じる者は意識的に行うことが出来る。

第4章 すべての根源的力・本質的実在「全」(The All)を知る

「時間と空間と変化の宇宙の背後に、常に本質的実在-根本真理-がある」-キバリオン
“Under, and back of, the Universe of Time, Space and Change, is ever to be found The Substantial Reality — the Fundamental Truth.”  – The Kybalion.

  • 全ての背後には、常に「本質的実在」がなければならない。

「本質」(substance)は、「あらゆる外的表現の根底にあるもの、真、真実、中身」などを意味する。
「本質的」(substantial)は、「実存する、必須要素である、真の」などを意味する。
「実在」(reality)は、「真の状態、真、真正、不動、永久、現実」などを意味する。

  • 全てが生成と発展と消滅を繰り返し、頂点を極めれば下降する。「リズムの原理」が絶えず働いている。
  • 実在、永続、不動、真なるものはどこにもない。
  • 思考する人は、変化(作用・反作用、流入・流出、建設・崩壊、創造・破壊、誕生・成長・死)するもの全て、根源的な何かの力(真実在)の外的な表れにすぎないことを悟る。
  • この本では、この根源的な力-本質的実在-を「全」(The All)と呼ぶ。
  • ヘルメス学者は、「全」そのものは永遠に不可知であると教えている。
  • 「根本真理であるもの-真の実在-は名を超えているが、賢者はそれを『全』と呼ぶ」-キバリオン
    “THAT which is the Fundamental Truth — the Substantial Reality — is beyond true naming, but the Wise Men call it THE ALL.” – The Kybalion.
  • 「『全』の本質は不可知」-キバリオン
    “In its Essence, THE ALL is UNKNOWABLE.” – The Kybalion.
  • 「しかし、理性ある報告は謙虚に受け止め、丁寧に扱わなければならない」-キバリオン
    “But, the report of Reason must be hospitably received, and treated with respect.” – The Kybalion.
  • 理性は「全」について次のように報告している。

1.「全」は実在するすべてでなければならない。「全」の他は何もない。そうでなければ、「全」とは言えない。
2.「全」は無限=永遠かつ常在でなければならない。それを定義し、制限できるものは存在しない。他のどんな力にも従わない。
3.「全」は不動・普遍でなければならない。それは何にもよっても変えられず、何ものにも変わらず、何かが変わったものではない。

「全」は足すことも引くことも、増やすことも減らすことも、それ以上にも以下にもならない。
「全」は無限、絶対・不滅・不変なので、有限で・変化する・束の間のものは「全」ではない。
「全」は物質(matter)ではなく、エネルギーでも力でもない。

  • 現代科学は「物質」は存在せず、「制限されたエネルギー」あるいは「低い振動のエネルギー」にすぎないと教えている。
  • 生命と精神が、物質やエネルギー以上のもので、この宇宙には存在するものである。
  • どのような生命と精神か=「無限の生ける精神」=「霊」(spirit)=「全」

「宗教」「神学」は実在に根ざすものを意味するが、「神学」「形而上学」は不安定この上ない支えにしかならない。

  • 「宗教」=「全」についての組織的見解と個人的な関係を意味する
  • 「神学」=人格や性質や特徴を「全]に当てはめる試み。
  • 「哲学」=可知のものについて知識を追求することを意味する。
  • 「形而上学」=不可知の領域を探ろうとする試み。神学と同じ傾向。

第5章 宇宙は「全」の精神的創造物-すべてを解くカギは精神力にあり

「宇宙は精神的であり、『全』の精神に抱かれている」-キバリオン
“The Universe is Mental — held in the Mind of THE ALL.” – The Kybalion.

  • 「霊」とは、生命と精神よりはるかに優れた、活動する精神の意味。
  • 「対応の原理」に従い、人が精神的イメージを作り出すのと同じように、「全」が精神的に宇宙を創造した=宇宙万物は『全』の精神的創造である。

「『全』は、未来永劫にわたり、無限精神の中で無数の宇宙を創造するが、幾百万の宇宙の生成、発展、衰退、消滅さえ、『全』にとっては一瞬の出来事にすぎない」-キバリオン
“THE ALL creates in its Infinite Mind countless Universes, which exist for aeons of Time — and yet, to THE ALL, the creation, development, decline and death of a million universes is as the time of the twinkling of an eye.” – The Kybalion.

「『全』の無限の精神が宇宙の子宮である」-キバリオン
“The Infinite Mind of THE ALL is the womb of Universes.” – The Kybalion.

  • 物質的、精神的、霊的なそれぞれの世界全てに「性の原理」が表れている。
    • 「性」(gender)は”sex”とは異なる。
    • 「性」は発生や創造に関係する。
  • 人は「全」の無限の精神の中に住んでいるのであり、その可能性と機会は、時間においても空間においても無限である。

「死すべき子らは父の精神に安らぐ」-キバリオン
“Within the Father-Mother Mind, mortal children are at home.” – The Kybalion.

「宇宙には父なし児も母なし児もいない」-キバリオン
“There is not one who is Fatherless, nor Motherless in the Universe.” – The Kybalion.

第6章 絶対と相対の視点からみる聖なる「逆説の法則」 “THE DIVINE PARADOX”

「半端な知者は宇宙がさして現実ではないと見て、諸法に反抗できると考える。愚かなことよ。その愚かさにより、彼らは岩にぶつかり、元素に引き裂かれる。真の知者は宇宙の性質を知り、諸法に大法を、低きに高きを用い、錬金術により、善からぬものを価値あるものに変質させ、かくて勝利をする。己の支配は夢幻を追うことにはない。高き力を低きに向け、高きに震えて下界の苦をかわすことにある。思い込みの否定ではなく、変容にこそ、大師の武器はある」-キバリオン
“The half-wise, recognizing the comparative unreality of the Universe, imagine that they may defy its Laws – such are vain and presumptuous fools, and they are broken against the rocks and torn asunder by the elements by reason of their folly. The truly wise, knowing the nature of the Universe, use Law against laws; the higher against the lower; and by the Art of Alchemy transmute that which is undesirable into that which is worthy, and thus triumph. Mastery consists not in abnormal dreams, visions and fantastic imaginings or living, but in using the higher forces against the lower – escaping the pains of the lower planes by vibrating on the higher. Transmutation, not presumptuous denial, is the weapon of the Master.” – The Kybalion.

  • 「全」が創造するときの「極性の原理」が引き起こす宇宙の逆説は、無限の存在である「全」と、有限の存在である人間とでは異なるということである。無限の「全」にとって宇宙は夢・幻のごときものであるが、人間にとっては現実であるということである。よって、人生、活動、思考も、より高い真理を悟りつつ、現実を基礎としなければならない。
  • 「全」にとって、宇宙が真ならざる幻影だとしても、有限な心にとっては現実そのものであり、目に見える宇宙の現実を否定してはいけない。人間は「全」ではない。人間にとってこの精神的宇宙はまさしく現実である。
  • 「宇宙はあるが、ない」という聖なる逆説を心に刻み、絶対と相対の真理の二極を忘れてはならない=「逆説の法則」は「極性の原理」の一面。
  • 宇宙の真の性質を認めて、その精神的法則を理解し、諸界を旅する成長に、最善に使うようにする。
  • 人は「全」の無限の精神に固く保たれているので、何ものも人を害せない。
    we are all HELD FIRMLY IN THE INFINITE MIND OF THE ALL, and there is naught to hurt us or for us to fear.
  • 人を傷つけられる「全」の外の力は存在しないので、心を静かに保つことが出来る。
    There is no Power outside of THE ALL to affect us. So we may rest calm and secure.
  • このように悟ることにより、安らぎと不動の心が開かれ、静かに休めるようになる。
  • 従来の視点では心の力は自然力とみなされなかったが、「精神性の原理」においてはそれが最大の自然力となる。そして、この一点が「精神性の原理」とその法則を理解し実行する者の人生に革命を起こす。
    Under the old views Mental Power was ignored as a Natural Force, while under Mentalism it becomes the Greatest Natural Force. And this one difference revolutionizes Life, to those who understand the Principle and its resulting laws and practice.
  • 「諸法に大法を、低きに高きを用い、錬金術により、善からぬものを価値あるものに変質させ、かくて勝利する」
    “use Law against Laws; the higher against the lower; and by the Art of Alchemy transmute that which is undesirable into that which is worthy, and thus triumph.”
  • 「己の支配は夢幻を追うことにはない。高き力を低きに向け、高きに震えて下界の苦をかわすことにある」
    “Mastery consists not in abnormal dreams, visions, and fantastic imaginings or living, but in using the higher forces against the lower — escaping the pains of the lower planes by vibrating on the higher.”
  • 「思い込みの否定ではなく、変容にこそ、大師の武器はある」
    “Transmutation, not presumptuous denial, is the weapon of the Master.”
  • 夢の世界に生きるのではなく、相対的ではあっても、人生と活動に関する限り現実である宇宙に生きることだ。諸法則を使い、低きから高きへ上るために生きる、日々の環境で最善を尽くし、もっともおおきな理想に精一杯生きることだ。

第7章 「全」はすべての内にあり、万物は「引き戻しの法則」に従う “THE ALL” IN ALL.

「全ては全の内にある。しかし、全がすべての内にあるというのも、等しく真理である。この真理をまことに理解する者は、大きな知識を得ている」 -キバリオン
“While All is in THE ALL, it is equally true that THE ALL is in All. To him who truly understands this truth hath come great knowledge.” – The Kybalion.

  • 「全」は宇宙のすべての部分に満ちているというのが、ヘルメスの教えである。
  • 「霊」の存在を自覚すればするほど、人は生命の霊的スケールを上る=内在する「霊」を知覚し、実感し、表現する=霊的成長。
  • 「全」が「在る」面から「成す」面に対し、意志を放射し、創造のプロセスが発動したというのが、宇宙の精神的創造のプロセスに関するヘルメスの教えである。これは、最も濃密な物質の形が現れるまで振動エネルギーを落とし続けることである。
    The Hermetic Teachings concerning the process of the Mental Creation of the Universe, are that at the beginning of the Creative Cycle, THE ALL, in its aspect of “Being,” projects its Will toward its aspect of “Becoming,” and the process of creation begins. It is taught that the process consists of the lowering of Vibration until a very low degree of vibratory energy is reached, at which point the grossest possible form of Matter is manifested.
  • このプロセスは、「退化」の段階と呼ばれる。
  • 退化の段階は聖なるエネルギーの「流出」、進化の段階は「戻し」と呼ばれる。
  • 創造エネルギーは「流出」しながら振動を落とし続け、衝動が止むまで落ちてから振り子を戻す。
  • 想像力が「流出」するときには、全体が1つになって出てくるが、進化(戻し)の起点では「個性化の法則」(=力の単位が分かれる傾向)が出てくる。
  • 「全」は創造の初めを「瞑想」することにより、宇宙の物質的基礎を築き、それを存在させ、徐々に「瞑想」から覚める段階で、物質的、精神的、霊的な進化の過程を実現するというのが、進化のプロセスについてのヘルメスの教えである。
  • 進化のプロセスが指導し、定まった「引き戻しの法則」に従って、万物が動き出す。
  • 「全」は、幾劫とも知れぬ周期の果てに、宇宙への注意-瞑想と静慮-を引き戻す。全てが源の「全」に戻されるということである。しかし、神秘の最たる「魂の中の霊」は無限に拡大され、被造物と創造主が1つになる。

第8章 対応の原理は、三大界(物質・精神・霊)に広がる普遍的法則 “THE PLANES OF CORRESPONDENCE”

「上なるごとく下に、下なるごとく上に」-キバリオン
”As above, so below; as below, so above.” – The Kybalion.

  • ヘルメスの第三原理=現象と生命と存在の諸界(“the several planes”)が調和し、対応しているという真理
  • 万物は同じ源に端を発し、諸界に現象を起こすどんなものにも、同じ法則と原理と特徴が当てはまる。
  • 宇宙は3つの現象面に(便宜上)大別される=「三大界」。

1.大物質界
2.大精神科医
3.大霊界

  • 物質と精神のすべての諸界でヘルメスの七大原理が活動している。

第9章 振動の原理を応用して、望む心理状態を作ることができる

「何ものも休まない。万物が動き、振動する」-キバリオン
“Nothing rests; everything moves; everything vibrates.”  – The Kybalion.

  • 宇宙の様々な現象の違いは振動数にあるというのがヘルメスの教えである。
  • 「全」も、無限の力と速度で絶えず振動している。
  • 今の科学も、「物質」とエネルギーは振動の状態(mode)にすぎないことを証明している。
  • 思念、感情、理性、意志、願望などのどんな精神状態にも振動があり、その一部が放出、誘導(induction)されて、他人の精神に影響する傾向がある。
  • 人は心の現象に「振動の原理」を応用することによって、自分の精神状態や気分を支配できる。同様に、他人の心にも影響を与え、望む心理状態を作り出すことも出来る。

第10章 自分や他人の心の状態を変えられる極性の原理の技法

「あらゆるものに二面がある。あらゆるものに極がある。あらゆるものに対がある。好きと嫌いは1つである。両端は度が異なるだけで性質は同じである。両端は出会う。すべて真理は片割れにすぎない。いかなる対立も和解する。」-キバリオン

  • ヘルメスの第四の原理-極性の原理-は、何事にも両面、両側、両極、対があり、多くの度が二つの間に広がっているという心理を具体化している。
  • 正反対に思える二者の違いは度の問題に過ぎない。
  • 物質界においては「暑さ・寒さ」は度が異なるだけで性質は同じである。その他、「高い・低い」、「明・暗」、「大・小」なども同じである。
  • 「善し悪し」「多い少ない」もスケールに占める位置で決まる。
  • 精神界でも同じである。「愛と憎しみ」は真っ向から対立する、和解できないものとよく言われるが、「極性の原理」を応用すれば、明確に区別できる絶対的な「愛」も「憎しみ」も存在しないことがわかる。「勇気と恐怖」も同じである。
  • 何かがあれば必ずそれに対立するものがある=両極がある。
  • 違う種類は変えられないが、同じ種類は変えられる=極を変えられる。
  • 心の状態は、積極と消極に分けられる。
  • 愛は憎しみよりも、勇気は恐怖よりも、行動は無為よりも積極的である。
  • 積極が消極に勝り、消極をすぐに従えることに気づく。
  • 自然界では積極が優勢になる傾向がある。
  • 臆病な人は、恐怖と勇気の線沿いに心の振動を上げれば、高い勇気と恐れ知らずの度で心を満たせる。怠惰な人は望む性質に沿って極を作れば、行動的で力のみなぎる人に変化できる。=同じ種類
  • 暑さを鋭くしたりすることは出来ない。恐怖を愛に変えたり、勇気を憎しみに変えることは出来ない。=違う種類
  • この「極性の原理」は、自分の心の状態を変えるだけでなく、他人の心を感化するにも拡大できる。一定の振動数あるいは精神的な極を送ることにより、相手の精神状態を変えられることがわかる。この原理を応用すれば、多くの心理療法の効果を高めることができる。
  • このヘルメスの大原理を知れば、自分ばかりか他人の心理状態も良く理解できるようになる。人は心の召使いや奴隷ではなく、「マスター」(主人)になれる。
  • この知識があれば、相手を知的に助けられるようになり、必要であれば極を正しく転換することも可能である。

第11章 精神活動に影響を及ぼすリズムの原理の技法

「何事も流れ入り、流れ出る。何事にも潮の流れがある。何事も浮き沈む。何事も振り子のように揺れる。右に揺れるだけ左に揺れる。何事にもリズムがある」-キバリオン

  • 「リズムの原理」は「極性の原理」に密着している。「極性の原理」が定める両極の間にリズムが生じる。
  • 現代科学もこの「リズムの原理」を理解し、物質的なものに当てはまる、普遍的な法則と見ているが、ヘルメス学者は、さらに人間の精神活動にまでその影響が及んでいるとしている。
  • ヘルメス学の大師は、「リズムの原理」が不変であり、精神的現象においても、常に心の二面にそれが表れることを古代に発見した。「我」(ego)を無意識よりも上に引き上げ、否定的な揺れが起きるのを阻止することにより、その影響をかわすことを知った。これを「精神の中和法則」と呼ぶ。
  • ある程度自己を修めた人は、消極的な気分や心理状態を拒否することにより、「精神の中和法則」を応用している。しかし、大師はこの術を高度に発達させていて、「意志の力」を行使することにより、気分や感情が揺られるままの人には到底理解できないほどの、静寂と不動心の境地を実現している。
  • 「リズムの原理」を理解することによって、気持ちの揺れを支配するマスターキーが得られる。原理は不変であっても「意志」はその現象に勝り、原理は働き続けていても、その効果を逃れることは可能である。
  • 「リズムの原理」の作用には「代償の法則」がある。「代償」(compensation)の意味の一つは「相殺」で、ヘルメス学者はこの意味で使っている。一方の揺れが他方の揺れを決める、一方に揺れることで他方への揺れに釣り合いを取るというのが「代償の法則」である。
  • 不変の物理の法則

例:一方に大きく揺れれば、他方にも大きく揺れる。

  • ヘルメス学者は、人の心も同じ法則に従うと説いている。
  • 強い喜びを表現する人間は、苦しみもそれだけ大きくなるが、ほとんど苦しまない人は、喜びもほとんど経験しない。ヘルメス学者は、さらに進んで、一定の喜びを享受できるまでに、同じほど反対の気持ちを極めなければならないと説いている。
  • これは、「消極が積極に先立つ」という意味で、喜びを味わうには同じ程の苦しみを味わう必要があるということではない。
  • 「楽」とは、「代償の法則」に従って、今生か他生で経験した「苦」の度合いだけ振り子を戻すことである。
  • 人は得たり失ったりするどんなものにも「代償を払う」のが常である。
  • どんなことにも苦楽の面があり、得るものは常に失うもによって償われる。

第12章 原因と結果の連鎖を知り、外界の環境を支配する “CAUSATION”

「どの原因にも結果がある。どの結果にも原因がある。何事も法に従って生起する。『偶然』とは気づかずにいる原因を指す言葉にすぎない。原因にも多くの層がある。だが、法を逃れられる者は一人もいない」-キバリオン

  • 「法」が宇宙に遍満している、偶然に起きるものは何もない、偶然とは気づかずにいる原因を指す言葉に過ぎない。
  • 「原因と結果の原理」は、過去から現在に至るあらゆる科学思想の根底にあるものでもあり、名立たるすべての思想家が正しいと見なしたものでもある。
  • どんな出来事にも、常に原因があり、理由があり、原因あるいは原因の連鎖なくして起きるものは1つもない=偶然はない。
  • たいていの人は、多かれ少なかれ、遺伝や環境などの奴隷になっていて、ほとんど自由を表現していない。
  • 周囲の意見や習慣や考え、自分の感情や気分などに流されるだけで、自己を支配できていないのが実情である。
  • しかし、大師は「好き」や「したい」を精神の極に定めることができる。気分、感情、周囲の暗示に動かされてするのではなく、意志力を行使できる。
  • たいていの人は、力ある人の願望や意志、環境、外からの影響、自分の気分や欲望などに翻弄されて、転がる石のように生きている。
  • しかし、大師は勝負のルールを知り、物質的生命界の上に上がって、高い性質の力に身を置く。彼らは、気分や性格、環境を支配し、結果でなく原因になっている。上界の原因力を逃れることはできなくとも、高い諸法則に一致して、下界の環境を支配している。

第13章 すべての物理現象には、常に男女の性の原理が働いている “GENDER”

「どんなものにも性がある。どんなものにも男女の原理がある。性はあらゆる層に表れる」-キバリオン

  • 性(gender)が万物に表現されている、あらゆる現象と生命に男女の原理が活動している。
    • “gender”の語源は、「発生する」、「創造する」、「生み出す」を意味するラテン語
  • 物質の基礎を成していると科学者も認める、素粒子、イオン、電子の間に、「性の原理」が明らかに表れている。最新の説明では、プラスの素粒子にマイナスの素粒子が群がることによって、原子が作り出されていると言っている。これは、最古の男性原理を「陽」、女性原理を「陰」の極に結び付けてきたヘルメスの教えとも一致する。

第14章 「心の性」の働きを理解し、意志力で他者の操作を避ける “MENTAL GENDER”

  • トマス・J・ハドソン博士の誰の中にも「主観心と客観心」が存在するという説やその他の学者による「顕在意識と潜在意識」、「随意と不随意」、「能動性と受動性」などの諸説には「心の二重性」という基本原則は、全てに共通している。
  • 古代の哲学が「二重の心」をとっくに認めており、「心の性」の理論によってそれを説いていることがわかる。
  • 心の男性原理は「客観」、「顕在意識」、「随意」、「能動」、女性原理は「主観」、「潜在意識」、「不随意」、「受動」などの心に対応する。
  • 顕在意識が自己(self)の存在を「われ在り」(I am)と見るが、これが一つとなって働く二つの異なる意識に分かれることが明らかになる。「われ」(I)と「われに」(Me)である。
  • 「われに」
  • 一定の気分、好き嫌い、習慣、特別な絆、性癖などから成っている。このような感情や気分は、「リズムの原理」と「極性の原理」に揺られ、絶えず変化し、現れては消える。
  • 心が集めた特殊な知識であり、それが自分の一部であると人は考えるが、大部分の人は、肉体的意識と欲望から「われに」を形成しており、心は肉体に属している。
  • 意識の度を高めれば肉体にとらわれなくなり、体を精神の一部と見られるようになる。
  • 本人の大きな精神集中力と精神分析力が可能な者は、心の属性(心の状態、感情、気分、習性、性癖など)をわきに置けるようになる。この作業が終了すると、自己が「われ」と「われに」の二つの面から成っていることが意識される。
  • 「われに」は、思考、発想、感情、気分などの心理状態の発生源であり、壮大な想像力を持つように感じられる。そして、「われに」を動機づけ、その創造作業を見守る、もう一つの心が存在することに気づく。これが「われ」である。
  • 「われ」には活発な想像力は感じられないが、「われに」へエネルギーを放射する力がある。それが精神的想像力を動かす意志の働きである。
  • 誰のここの中にもこの二つの面がある。「われ」が心の男性原理、「われに」は女性原理、「われ」は「在る」面、「われに」は「成す」面である。宇宙の創造を行う大界と同じ原理が、人の心においても働いている。=「対応の原理」
  • この心の二面-男性原理と女性原理-を、周知の心霊現象に結び付けられれば、未知の心の作用を解き明かすマスターキーが得られる。どんな精神的影響力にも「心の性」の原理が潜んでいる。
  • 女性原理は常に印象を受け取り、男性原理は常に与え表現する傾向がある。女性原理は男性原理よりもかなり活動の幅が広く、想像作用はもとより、新しい発想、概念、概念を生む仕事をする。男性原理は多方面に意志を働かせることで満足するが、活発な意志の力に助けられなければ、女性原理は独自の精神的創造ができなくなり、外部の印象を受けてイメージを生むだけで満足してしまう。
  • 一つの対象を思い続けられる人は、精神的創造活動をする女性部分と、それを刺激し活性化する男性的意志の両方を発揮する。しかし、たいていの人は男性原理をほとんど使っておらず、他人から「われに」注ぎ込まれた思想を受け売りしているにすぎない。
  • 本人の男性原理と女性原理が強調して働くというのが正常の在り方であるが、一般人の男性原理はあまりに怠惰で、意志力をほとんど使わないため、他人の意のままになっているのが実情である。
  • 強者と言われる人は、男女の別なく、意志の男性原理を表して、物質的な力をそこに求めている。自らの意志によって心を支配し、他人の心も同じように支配している。魅力的な人は男性原理を使って自分の考えを他に印象づけられる(俳優、政治家、作家等)。
  • 心霊現象に馴染んでいる人は、「暗示」の力が重要な役割を果たしていることを知っている。

第15章 ヘルメスの格言をいかに実践し活用していくか

「知識を所有しても、行動に表さなければ、貴金属をただ集めるのと変わらない。虚しく愚かなことである。活用の法則は普遍的である。それを侵す者は自然力との摩擦に苦しむ」 -キバリオン

  • 心の貧困に注意し、学んだことを行動に移す。
  • 「気持ちや心の状態を変えるには、振動を変えることである。」 -キバリオン
  • 人は意志を動かし、好ましい状態に注意を集めることによって、心の振動を変えることが出来る。
  • 好ましくない心の振動数を崩すには、極性の原理を動かし、抑えたいと思うものの正反対の極に集中する。極を変えることにより好ましくないものを根絶せよ」 -キバリオン
  • これは最も重要なヘルメスの公式の一つである。
  • 極を変えれば、気分を支配し、心の状態を変え、性格を一新できる。
  • 「精神は、金属や元素と同じく、その状態も度も条件も極性も振動も変えられる。真のヘルメス学の変容は精神の業にある」 -キバリオン
  • 極性化を身につけることは心の変容の基本原理を支配することである。この原理を理解し、その術を習得するのに必要な時間と労力と研究と実践を行うことにより、自分だけでなく他人の極も変えることが可能となる。どこまで得られるかは、たゆまぬ忍耐と実践にかかっている。
  • 「極性化の業を活かすことによりリズムを中和できる」 -キバリオン
  • 「精神の中和法則」を使うことで、意識のリズムの作用をかなり支配できる。=釣り合いと相殺の法則
  • 高我(higher-self)に極を定め、俗な意識界から振動を引き上げることで、下界の振り子を避けることが出来る。
  • 気分や感情に流されることを拒否し、優越を宣言することにより、積極にとどまる。
  • 大師は、高い法則により低い法則を克服し、意志力を行使して、気分の振り子に揺られる常人には到底信じられないほどの、静かな不動の境地を実現している。
  • 「原因と結果の原理を逃れられる者はいない。だが、原因界にも多くがあり、人は高い法則を用いて、低い法則を克服できる」 -キバリオン
  • 「賢者は高きに仕え、低きを支配する。上界の法には服従しても、己の界と下界においては支配し指令する。それでも、原理に逆らわず、その一部になっている。賢者は法と一体になる。法の働きを理解することにより、奴隷にならず、法を動かす。それは水泳の達人が流されるだけの丸太にならず自在に泳げるのと変わらない。しかし、泳者も丸太も、賢者も愚者も、法に従っている。これを理解する者は統制への道を進んでいる」 -キバリオン
  • 「真のヘルメス学の変容は精神の技である」-キバリオン
  • 宇宙の本質が精神的であるなら、精神の変容が宇宙の諸現象を変えなければならない。宇宙が精神的であるならば、精神がその現象を左右する最高の力でなければならない。
  • これが理解されるときに、奇跡と呼ばれるものの実像が見えてくる。
  • 「全は精神。宇宙は精神的である。」-キバリオン

映画「ザ・シークレット」の中で、教師と呼ばれる登場人物が発言している内容と通ずるものがある(「訳者まえがき」に出てくるジェームズ・アーサー・レイは、ザ・シークレットにも登場)。

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