脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める
脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める
築山 節
著者は脳に関する著作が多く、何冊か読んだことがある。
ビジネスマンにもお勧めであるが、受験生が読んでも良い。本好きな人であれば中学生ぐらいから読める内容である。脳版「道は開ける」という感じ。
第1章の1の初めに書いてある
仕事が忙しい/勉強が大変なときでも、 ・ ある程度の睡眠時間を確保/起床時間を安定させる/生活のリズムを整える ・ 3度の食事をきちんと摂る ・ 体を少し動かして、脳に血液が巡りやすいようにする 脳が動きやすい条件を整えてから問題解決に向かわないと、どうしても必要以上にネガティブになってしまう。
というのは、分かっていても出来ていないことではないだろうか。これは本書に限らず、色々な本で述べられていることである。
また、第4章の3で「日中でも、脳を休め、リラックスする時間をできるだけ持った方がいいでしょう。」と書いてある。著者は散歩を進めているが、瞑想も良い手段ではないかと思った。
- 築山 節(つきやま・たかし) 経歴
公益財団法人河野臨床医学研究所附属北品川クリニック所長。
北品川クリニックのホームページのご挨拶
1950年、愛知県生まれ。日本大学大学院医学研究科卒業。医学博士。
埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長、河野臨床医学研究所附属第三北品川病院長、同財団理事長などを経て現職。
脳神経外科専門医として数多くの診断治療に携わる。92年、脳疾患後の脳機能回復を図る「高次脳機能外来」を設立。
著書に『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』(共にNHK出版)ほか。
築山 節 wiki
はじめに 第1章 前向きな自分をつくる1 意欲を高めるための基本原則 ◇まずは健康。それから「欲」「好き・嫌い」「ほどよい興奮」 ◇「できること」が増えると「好き」になる ◇「五歩先に解決がある問題」の一歩目を見つける ◇現代人に求められている「自助力」 ◇脳の成長が加速度的に進む段階がある 2 「やる気が出ない」ときの対処法 ◇興奮状態は意欲につながる ◇「簡単な問題からでもいいから解きなさい」 ◇「作業興奮」の効果を大きくする方法 ◇「難しい仕事を任されている人」が陥りやすい悪循環 ◇大変な仕事をするときには「助走」が要る 3 脳をリフレッシュさせる技術 ◇同じことを続けていると早く疲れやすい ◇アプローチを変えれば新鮮に取り組める ◇不完全であっても答案用紙は必ず出す 4 「脳のエネルギーの投資先」を明確にしよう ◇「午前中の予定はどうなっている?」 ◇前日の夜のうちに、「明日すること」を書いておく ◇準備や予習は歳を取ってからこそ大切になる 5 まず「誰のために」を考えよう ◇自分の誰に対して、どんな役割を担っているか? ◇人からの感謝や評価は意欲を高めるエネルギー源 ◇自分本位は脳にとって楽ではない 第2章 思考の整理術─計画・実行力を高める1 「見えない敵」が脳を混乱させる ◇感情に思考を加えてバランスを取る ◇「何となく見えているとき」がいちばん怖い ◇冷静に思考する力を奪う悪習 2 「気になっていることリスト」をつくろう ◇感情から切り離された情報を一枚の紙に ◇思考の整理は引き算で考える ◇「人に任せられる」というのは重要な能力 3 時間的整理─仕事と「私」を多次元的に捉えよう ◇時間の流れを見失うとパニックになる ◇「その日の私」「その時の私」に仕事を割り振る ◇段取りにとらわれすぎてもいけない ◇「結果的に実行したこと」も記録する 4 空間的整理─仕事の効率に差をつける物の整理 ◇「気になる」という感情を処理する ◇「昔の恋人」と「気になる仕事」 ◇物を整理しているとき、脳の中の情報も整理される ◇先に入れ物を用意すると整理しやすい 5 仕事を溜め込まないようにするコツ ◇手つかずの仕事を溜めこんでしまうとき ◇脳は変化に反応する ◇問題解決のヒントは自分でつくる 第3章 記憶を強化する技術1 情報を覚えるためには努力が要る ◇「他人の脳」の中にある知識 ◇入力はただの入力。出力は「出力+再入力」 ◇脳は「忘れるようにできている」 2 「脳の中の小さな机」を意識しよう ◇「一時記憶の机」と「長期記憶の書庫」 ◇「一時記憶の机」がいっぱいになると… ◇「アイデアはたくさん思い浮かんでいるのにまとめられない」 ◇記憶の「ファイル化」と「まとめ」 ◇情報化社会ならではの脳の問題 3 記憶を引き出す手がかりをつくろう(キーワード化) ◇「その日のうちに復習する」が記憶を定着させる鍵 ◇キーワードを拾いながら読むと理解が速くなる ◇情報は「差異」に注目することが大切 ◇「意見」と「論拠」を押さえる 4 風景やイメージとして記憶しよう ◇言葉だけで覚えるのには限界がある ◇情報を自分の体験と結び付ける ◇説明文を読むときでもイメージ化は有効 5 出力の機会にバリエーションを持たせよう ◇記憶には自由に使える「有効期限」がある ◇『論語』の冒頭は記憶の強化法に通じている ◇多面的な出力が知識の有効性を高める ◇社会の現状に合わせて、記憶をリニューアルしていく 第4章 アイデアを生み出す技術1 想像力を高める生き方、考え方 ◇「アイデアが突然ひらめく」という現象の正体 ◇環境からアイデアの材料を与えられている ◇制約があるからこそ、良いアイデアを生み出せる 2 「ひらめきの連鎖」を生み出そう ◇「滅茶苦茶なアイデアでも出すように」 ◇良質の刺激を脳に与える合理的な方法 3 脳を休めなければ、大きな思考はできない ◇「悲しい話は夜するな」―アイデアも夜考えない方がいい ◇散歩には目と脳を休める効果がある 4 社会の「必要」に気づくために大切なこと ◇既存のものとの差異が新しい価値になる ◇自分の仕事に本気で取り組むことがアイデアの芽を育む ◇「一人の役に立ちたい」という思いから出発する 5 考えるほど、問題が複雑化してしまうとき ◇「答えにくい質問」はどんなものか? ◇話がこじれていくときの特徴 ◇「主観の世界」と「現実」のバランス 第5章 気持ちの整理術1 脳を安定させる「感情のリスク・コントロール」 ◇不快な刺激を相対的に減らす ◇「強い不快+強い快」では平衡が保てない ◇感情のコントロールは6・3・1のバランスで考える ◇脳は、「省力化」を志向している ◇「嫌なこと、面倒なこと」はなくならない 2 解釈を変え、不安をやわらげる方法 ◇感情は記憶に対する解釈に付随している ◇「他人の脳」で考える ◇社会全体の感情のバランスを考える ◇「松下幸之助さんならどう考えるか?」 ◇時間的視野を広げ、得てきたものを確認する ◇「得をする役」ばかり担っているのは良くない 3 目標を持っている人はなぜ強いのか ◇人生の荒波を乗り切るために、自分という船の舵を取る ◇「悲しさや悔しさをバネにする」ということ ◇目標は出力した言葉の中から発見するもの ◇目標は中間地点を設けることで実現させやすくなる ◇日々誰かの役に立っていることも大切 あとがきに代えて―「待つ」ということの大切さ
「脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める」はKindle版があるが、こちらはKindle版がないのが大変残念だ。